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interview弁護士
河瀬 季氏

弁護士であり Japan Mensa の会員でもある河瀬先生に長年愛用されている Realforce からキーボードの弁護士業務における重要性についてまでを伺った。

IT エンジニア、経営者、そして弁護士への転身

河瀬先生はモノリス法律事務所 の代表でいらっしゃいますが、普段どういったお仕事をされているのかお教えいただけますでしょうか?

河瀬氏

事務所によって取り扱う分野はバラバラです。当事務所の場合は「IT・インターネット・ビジネス」というキーワードで、いわゆる IT ベンチャーの顧問弁護士として契約書レビューを行ったり、インターネット関連の裁判を手がけたり、といった業務が中心です。

現在でもイースター株式会社の代表取締役で、起業家でもいらっしゃる河瀬先生が、そこからなぜ弁護士を志されたのでしょうか?

河瀬氏

僕は19歳の頃に大学の学部に通わないでフリーランサーをしていて、ちょうど20年前、Windows 2000 の頃に最初は WEB サイトを作って、当時流行っていた SEO をやり、またライターもして働いていたので、人生の中で勉強していた時間が他の人よりも短いんです。なのでもう一回くらい勉強しようと思い立って(笑) 働いていたときの貯金で大学院に入り直して、司法試験を受けて弁護士になりました。

本格的に働き始めていたのに、もう一度勉強して弁護士になれるというのは凄いですね。

河瀬氏

得意なことは IT で、例えばデジタルタトゥー(ネット上で書き込みや個人情報などが一度拡散すると完全に削除できない問題)についてはインターネット上の仕組みをきちんと理解している必要があります。IT 企業の法務もクライアントのビジネスへの理解が必要です。

モノリス法律事務所の WEB サイト上でも法律の事例紹介  などをされているので、IT に対して確かな強みをお持ちだとは感じました。

河瀬氏

メディアも20年間作り続けています。弁護士になってもパソコンやキーボードを使って何かを生み出す、ということをずっとやっているという感じですね。自分で書いたり編集者になったり。なので効率的にコードや文章を入力するのは20年間ずっと僕の命題です。

事務所に所属されている方はみなさん河瀬先生のようなバックグラウンドをお持ちなのでしょうか。

河瀬氏

IT に慣れ親しんだ弁護士は多くはないのでそこは割り切っています。法律に強い弁護士と IT に強いスタッフ、というチームで仕事をしています。統括する僕とそれぞれのスタッフが IT 関係は分かっているのでうまく連携ができています。

実際の弁護士業務において IT への理解が発揮されるのはどのような部分でしょうか?

河瀬氏

IT 関係の事例で極端で簡単な例ですと、独自ドメインを用いるサイト上での行為をやめさせたいとなったときに、WHOIS(注:ドメインの所有者情報の照会手段)を知らなければ誰を訴えればいいかがわかりません。誰がドメインを持っていて、そのサイトを誰が実際に管理しているかがわからなければ裁判はできません。もっと言うと、システム開発で起こったトラブルでも何が起こっているかを理解する必要があります。他の弁護士事務所からうちに相談に来る人にたまに言われるのは「ソースコードという概念を説明するのに疲れた」とか「ソースコードはどうにか理解してもらったけど、どうしても API が伝わらない」とか。起こったことを説明するだけで長大な時間がかかるので「もう無理だ」となるみたいです。

IQ と IT の関係性

河瀬先生は法律家・起業家だけでなく、Japan Mensa(全人口の内、上位2%の IQ /知能指数の持ち主が入れる国際グループ)の会員でいらっしゃいますよね?

河瀬氏

はい。パソコンみたいなロジカルなものに触れていた経験は意外と大きかったのかな、と今は思っています。実際の相関がそうかはわかりませんが、他の会員にも小さい頃からパソコンなどに慣れ親しんでいたみたいな属性の方が、世間の平均よりかは明らかに多い気がします。

IT と慣れ親しんでいるわけではないという方も、なかにはいらっしゃるのでしょうか?

河瀬氏

そういう方も、もちろんいます。
パソコンから離れて考えると、渋谷に昔あった『こどもの城』(注:国立総合児童センターこどもの城。2015年に閉館)に通っていた子は結構伸びていた気がします。そこは『キッザニア』の原型みたいな感じでしたね。ちなみに僕が生まれて初めてマウスを触ったのもそこなんです。たぶん3歳くらいだったと思います。僕の親は、マウスに「なんなのこれは!?」となっていました(笑) 3歳なりにもマウスポインターは意外に合わせられたので、コンピューターを使うということが体感できたのを鮮明に覚えています。インターフェースって大事だな、と改めて思います。

今にいたる原体験はかなり早い段階にあったようですが、パソコンに興味をより持たれたのはいつ頃からでしょうか?

河瀬氏

パソコン自体をいじり始めたのは小学校3年生くらいからですね。当時はフロッピーディスクのデータ容量も恐ろしく小さくて金額も高いので、読者が作ったゲームのソースコードを雑誌に掲載する文化がありました。4年生のときにはそのソースコードを頑張って打ってゲームを遊んでいましたね。そのまま中学・高校もパソコン部に所属していました。

キーボードへのこだわりと Realforce

かなり早くからパソコンに触れられていますが、今までどれくらいキーボードを購入されたか覚えていらっしゃいますか?

河瀬氏

人生でいうと Realforce だけでも5台くらいは買っていますね。今も事務所用のマシンと家用のマシンがあって、実家にも。R2 モデル、そして旧モデルも混ざっています。基本はテンキーレスの日本語配列、かなの印字無しを選んでいます。


河瀬氏使用モデル:R2TL-JP4-BK

テンキーレスモデルを使われているのにはどういったこだわりがあるのでしょうか? 一般的には机が狭小な人からの需要が大きいと考えられますが、河瀬先生のデスクは広く見えます。

ご自宅のデスク環境

河瀬氏

このくらいのサイズがベストだからですね。マウスがすぐ触れる、完全にそれだけです。弁護士の業務では資料を見ながら入力したりするので、モニターをたくさん使います。家の机もモニターを2台置けるよう 160cm あります。テンキーも使いませんし、単純にマウスへの手の移動が早いほうがいいなと思いました。

初めて Realforce を購入されたきっかけはどういったものだったのでしょうか。

河瀬氏

1万円を超えるマウスを初めて使ってみて PC 環境に対する満足度がだいぶ上がるなという気づきから、キーボードも挑戦し Realforce を買いました。パソコンを使うとき、マウスとキーボードとモニターが常に身体の一番近くにありますよね。パソコン本体に15万円かけてキーボードに5000円というよりは、パソコン本体に13万円でキーボードに2万5000円のほうが快適さを体感しやすい気がします。実際、今に至るまで気に入って使っています。

Realforce をご存じになったのはどういったきっかけでしたか?

河瀬氏

Realforce 自体を知ったのは18年くらい前で、インターネット上にはそんなに情報は無かった気がします。秋葉原のショップで「超高級キーボード」という広告を見て「なんだこれは!」と思って実際に触ってみたのが最初ですね。その後、競合の製品もいくつか使ってみて、結果、Realforce に完全に落ち着いたのが15年前くらいです。

実際の業務ではどのように Realforce を活用されていますか?

河瀬氏

弁護士の世界にも B to B と B to C がありますが、うちは B to B をやっていて、要は法律のコンサルテーションです。クライアントのところに行って話を聞いてから、事務所で書面やデータを用意するという場面があります。例えばシステム開発でベンダーさんがどのような契約をするのか、ベンダーさんの会議室で要件をヒアリングして、事務所に戻ってその内容を元にパソコンで契約書のドラフトを作成します。メールでベンダーさんにその内容を送って、要望があれば修正するということになります。外出先ではどうしてもノートパソコンになるので、そのキーボードを使うことになります。ヒアリング時のメモを取ったり事務所内チャットを返すくらいだったら全然良いんですけど、書面の作成は事務所で Realforce を使います。ショートカットキーを使って、キーボードでできることはキーボードで済ませることが多いので使用頻度は高いです。

Realforce は実際に使われてみていかがですか?

河瀬氏

長時間 Realforce を使っていても疲れにくいというのは絶対あります。僕はそんなに集中力が続くほうではありませんが、それでも3時間や4時間、書類の作成にかけることもあります。ものによりますが、大型裁判の訴状とかだと A4 で50ページくらいになります。ただ最近は全てのものがクラウド上に来つつあるので、パソコンは一定のスペックさえあればなんでもいいなという感覚が出つつあります。Word や Excel が起動出来る程度の CPU やメモリがあって、クラウド上のデータを引っ張れる回線があって、ストレスのないインターフェースがあれば僕の仕事はそれで済むんですよね。インターフェースのほうが割と重要になりつつあります。
Realforce についての説明は難しいですが、一番自然なんですよね。「押し込んで、戻る」という単純な動作の部分がブレないし、必要以上の力を要求されない。押したら自然に戻ってくる。他のキーボードでは思ったように沈んでいかないとか、戻るタイミングが違っていてストレスになってくるんですよね。たぶん他のキーボードを使用したら5分ももたないかもしれません(笑)
Realforce が一番しっくりきています。

弁護士業界におけるキーボード

お仕事柄入力する頻度が高そうですが、同業者の方とキーボードについてお話をされることはありますか?

河瀬氏

弁護士は意外とキーボードにこだわっている人がいない気がします。いろいろな仕事の中でも結構文章を打つほうだと思うのでもうちょっとこだわりを持ってもいいと思いますね。逆にクライアントが Realforce を使っていて「おっ!」となることはあります。

Realforce は同業者の方にもお薦めできますか?

河瀬氏

お薦めしたいですね。キーボードを変えるとすぐに効率が落ちますし疲れます。家や事務所のほうが仕事の効率が良い理由を突き詰めて考えると、僕の場合、Realforce とマウスがあるからというような気がしています。本当は Realforce 内蔵のノートパソコンが欲しいくらいです(笑)